有川浩さんの『旅猫リポート』を読みました。 [Book & シネマ]
有川浩/旅猫リポート
電車の中で読んではいけない本です。この掟を破った私のお友達が大変な目にあっていました(笑)。
秘密を抱いた青年「サトル」と相棒「ナナ」という猫のお話。1人と1匹の旅はどこに続いているのでしょう…。それは全て読み終えた時、しっかりと心に刻まれていました。そして忘れかけていた懐かしい気持ちや、優しい気持ちや…そんなことも思い出させてくれました。
この本、ソネブロのお友達、suzu*さんのところで知りました。何となくインスピレーションでこれは読まなければいけないんじゃないかな…って思ってすぐに購入しました。
手元に届いた日、ちょうどfacebookでも「この本を読みました」というお友達の発言も発見。その後も続々と「読みました!」「電車で読んで後悔しました…。」などなど、結構私の周りのお友達は読んだ人が多いみたいです。
文藝春秋刊行の本なのですが、「旅猫リポート」の特設サイトのページまで出来ています。特設サイト→http://bunshun.jp/pick-up/tabineko/
出だしの8ページまで読むことが出来ますよ^^
タイトルにある通り、この本は「サトル」とその飼い猫になった「ナナ」との旅のお話。全国各地にちらばっている「懐かしい人々」を訪ね、その先々でサトルのことを少しずつ知っていきます。
道中に拡がる様々な景色がまるで目に浮かぶかのように美しくキラキラしていて、自分も一緒に旅をしているような気持ちになりました。
ナナのちょっと強気な発言も愛おしく思えたし、私も以前猫を飼っていたことがあるので、彼女もこんなふうに私のことをきっと見ていてくれたんだろうなとか、貴方の気持ちをわかってあげられていなくてごめんね…とか、いろいろ重なってきました。
読んでいて彼女にすごく会いたくもなったんだけれど(今はお空の上にいます)、それは決して悲しいことじゃないってこともわからせてもらえました。
実は最後の2つの章(レポート4と、ラスト・レポート)を残したところで、少し読むのを中断し、時間をかけてこの1冊を読み切りました。と、いうのも、最後から3つめの章でおおよその結末に近いことが提示されてしまうからです。
なので、この作品と…というより、ナナやサトル、そして彼等を取り巻く全てのことと、しっかり向き合い直して最後まで読み進めたいと思い、次の章をめくる勇気というか、決意というかそんなことが固まるまでに時間を要してしまったのでした。
僕は何にも失ってない。ナナって名前と、サトルと暮らした五年を得ただけだ。
だからそんな困った顔するなよ。
一番最初の章の終わりに出てきたフレーズです。再読した時に「ああ…そうだったのか」って新たに見えてきたフレーズでもありました。
昔、某大手A新聞社の凄腕記者のYさん(現在はすでに引退されていらっしゃいます)から「『リポート』というものは、一切の感情を振り払って書かなければいけないものなんですよ。」とお話をうかがったことがあります。
そのリポートを、誇り高き野良猫だったナナから淡々と語られていくのですが、それでもその静かな口調の裏に見え隠れする感情に触れるシーンに幾度か出会い、それがより一層心に染みてきます。クラシック音楽でよくいうところの「長調で語られる悲しみ」にちょっと似た感じかな。。。
センチメンタルにただただ泣いちゃったっていう本じゃなくて、人として経験してゆくさまざまな局面に真摯に向き合ってみたり、心の余裕を感じたりしながら読み進めていける本じゃないかな…と。
猫を飼われている人には絶対に読んでもらいたい♪ そして猫好きな人も、そうじゃない人も、きっとどこか自分の心にひっかかる言霊がこの本の中に綴られている気がします。
カバーをとってみても、そこにはサトルやナナの想い出がスナップ写真となって鏤められていて、とても素敵な装丁になっていますよ。
あ、タオル(ハンカチじゃ足りないです)とティッシュは必ずそばに置いて読み始めてくださいね^^;
楽天で購入したい人楽天で「旅猫リポート」を探す
アマゾンで購入したい人Amazonで「旅猫リポート」を探す
〈追記〉
「旅猫リポート」が舞台化されるそうです。
本に応募券がついていたのは、
これだったのかな?!
本を読んだ印象として、
ナナとか人間が演じるのは…、
う〜〜〜ん…どうなの?
と正直なところ最初はあまり良い印象を持てなかったのですが、実は作者の有川浩さんは、もともと演劇をイメージされてこの本を書き上げられたのだそうです。そうなると話は変わってきますね^^; また違った面が見えてくるのかも…! ただ仕事が繁忙期中にしっかり重なっているので私は行くことが出来ませんが…。
有川さんのインタビュー記事→「舞台化に寄せて」
演劇を見たい人はチケットぴあで購入できますが、もう土日はソールドアウトみたい。2月22日現在、平日に空席が残っています。
演劇:スカイロケット「旅猫リポート」
(終了しました)
〈2018年追記〉
映画化までされてしまいましたね。2018年10月26日ロードショー
公式サイトはこちらhttp://tabineko-movie.jp
主演の福士蒼汰さんは、自分の映画を試写会で見て泣いてしまったという初めての経験をされたそうです。
電車の中で読んではいけない本です。この掟を破った私のお友達が大変な目にあっていました(笑)。
秘密を抱いた青年「サトル」と相棒「ナナ」という猫のお話。1人と1匹の旅はどこに続いているのでしょう…。それは全て読み終えた時、しっかりと心に刻まれていました。そして忘れかけていた懐かしい気持ちや、優しい気持ちや…そんなことも思い出させてくれました。
この本、ソネブロのお友達、suzu*さんのところで知りました。何となくインスピレーションでこれは読まなければいけないんじゃないかな…って思ってすぐに購入しました。
手元に届いた日、ちょうどfacebookでも「この本を読みました」というお友達の発言も発見。その後も続々と「読みました!」「電車で読んで後悔しました…。」などなど、結構私の周りのお友達は読んだ人が多いみたいです。
文藝春秋刊行の本なのですが、「旅猫リポート」の特設サイトのページまで出来ています。特設サイト→http://bunshun.jp/pick-up/tabineko/
出だしの8ページまで読むことが出来ますよ^^
タイトルにある通り、この本は「サトル」とその飼い猫になった「ナナ」との旅のお話。全国各地にちらばっている「懐かしい人々」を訪ね、その先々でサトルのことを少しずつ知っていきます。
道中に拡がる様々な景色がまるで目に浮かぶかのように美しくキラキラしていて、自分も一緒に旅をしているような気持ちになりました。
ナナのちょっと強気な発言も愛おしく思えたし、私も以前猫を飼っていたことがあるので、彼女もこんなふうに私のことをきっと見ていてくれたんだろうなとか、貴方の気持ちをわかってあげられていなくてごめんね…とか、いろいろ重なってきました。
読んでいて彼女にすごく会いたくもなったんだけれど(今はお空の上にいます)、それは決して悲しいことじゃないってこともわからせてもらえました。
実は最後の2つの章(レポート4と、ラスト・レポート)を残したところで、少し読むのを中断し、時間をかけてこの1冊を読み切りました。と、いうのも、最後から3つめの章でおおよその結末に近いことが提示されてしまうからです。
なので、この作品と…というより、ナナやサトル、そして彼等を取り巻く全てのことと、しっかり向き合い直して最後まで読み進めたいと思い、次の章をめくる勇気というか、決意というかそんなことが固まるまでに時間を要してしまったのでした。
僕は何にも失ってない。ナナって名前と、サトルと暮らした五年を得ただけだ。
だからそんな困った顔するなよ。
一番最初の章の終わりに出てきたフレーズです。再読した時に「ああ…そうだったのか」って新たに見えてきたフレーズでもありました。
昔、某大手A新聞社の凄腕記者のYさん(現在はすでに引退されていらっしゃいます)から「『リポート』というものは、一切の感情を振り払って書かなければいけないものなんですよ。」とお話をうかがったことがあります。
そのリポートを、誇り高き野良猫だったナナから淡々と語られていくのですが、それでもその静かな口調の裏に見え隠れする感情に触れるシーンに幾度か出会い、それがより一層心に染みてきます。クラシック音楽でよくいうところの「長調で語られる悲しみ」にちょっと似た感じかな。。。
センチメンタルにただただ泣いちゃったっていう本じゃなくて、人として経験してゆくさまざまな局面に真摯に向き合ってみたり、心の余裕を感じたりしながら読み進めていける本じゃないかな…と。
猫を飼われている人には絶対に読んでもらいたい♪ そして猫好きな人も、そうじゃない人も、きっとどこか自分の心にひっかかる言霊がこの本の中に綴られている気がします。
カバーをとってみても、そこにはサトルやナナの想い出がスナップ写真となって鏤められていて、とても素敵な装丁になっていますよ。
あ、タオル(ハンカチじゃ足りないです)とティッシュは必ずそばに置いて読み始めてくださいね^^;
楽天で購入したい人楽天で「旅猫リポート」を探す
アマゾンで購入したい人Amazonで「旅猫リポート」を探す
〈追記〉
「旅猫リポート」が舞台化されるそうです。
本に応募券がついていたのは、
これだったのかな?!
本を読んだ印象として、
ナナとか人間が演じるのは…、
う〜〜〜ん…どうなの?
と正直なところ最初はあまり良い印象を持てなかったのですが、実は作者の有川浩さんは、もともと演劇をイメージされてこの本を書き上げられたのだそうです。そうなると話は変わってきますね^^; また違った面が見えてくるのかも…! ただ仕事が繁忙期中にしっかり重なっているので私は行くことが出来ませんが…。
有川さんのインタビュー記事→「舞台化に寄せて」
〈2018年追記〉
映画化までされてしまいましたね。2018年10月26日ロードショー
公式サイトはこちらhttp://tabineko-movie.jp
主演の福士蒼汰さんは、自分の映画を試写会で見て泣いてしまったという初めての経験をされたそうです。
有川浩さんの作品好きなんですよ~
これも是非、読んでみよう!
阪急電車、三匹のおっさん、大好きです (^^
by 風太郎 (2013-02-23 07:26)
リンクありがと。
代筆、代弁ありがと。
立派な々感想文ですな^_^
有川浩さんの本は、どれもホンマにハズレは無いでする。
何度でも読み返したい。
いつでも読めるように手元に置いておきたい本ばかりてます。
言霊。 どのページにもホンマに美しい言葉が綴られとるし
そこには深くて濃くて、優しい気持ちが織り込まれとる気ぃします。
この本のサイトまであるとは知らなんだ…
すんごいのな?
最近、じっくりと読める本に出会えてなかったんで
書棚に並んどる お気に入りの本ば読み返してみよう思います。
by suzu* (2013-02-23 08:57)
おはようございます。
読んでないですが電車の中では読んではいけないと言われると読んでみたくなります。
by としぽ (2013-02-23 11:29)
>風太郎さん
有川浩さんの根強いファンって結構多いですよね。実は私、何を隠そう、有川さんの作品はこれが初めてでした^^; 他の作品も読んでみたくなりますね♪ 風太郎さんも猫を飼われていらっしゃるから、きっと共感出来る部分とかあると思います。めっちゃオススメしちゃいます^^
by うさ (2013-02-23 16:03)
>suzu*さん
いやぁ〜昔から「読書感想文」ってやつが一番苦手だったので、なんだか思っていることの半分も伝えられずにいるような気も…そしてまた文面をいろいろいじっちゃいました^^;
suzu*さんのところで見かけなければきっと自分からは手に取らなかったんじゃないかなって思います。本当にありがとうございました^^*
やっぱり有川浩さんの本、他にもいろいろ読まれているんですね。私もトライしようと思います。そしてフォローコメント、ありがとうございます^^ そうそう。まさにどのページにも織り込まれていますよね。なんでもないような最初の方のシーンでもなんだかずっしりきて泣いちゃったりもしたことは内緒です(笑)。
by うさ (2013-02-23 16:04)
>としぽさん
ほうほう!! 電車の中で読んではいけないと言われ、それでも読んじゃった人の体験談が実はあっちこっちの「クチコミ」に投書されています(笑)。としぽさんにはチャレンジしてもらいたいですね〜。そしてそのリポート希望しちゃいます♪
by うさ (2013-02-23 16:40)