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芸術の秋~ドガ展と内藤晃さんのコンサート [芸術に触れて…]

タイトルのまま(笑)、土曜日に横浜まで夫と出かけてきました。
美術館と演奏会という欲張りな目的を果たし、午後~夜までたっぷりと芸術に浸った1日でした^^ 

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コンサートの方はちょっとマニアックな書き方(不親切)になっておりますので、あまり興味のない方は斜め読みしてくださいませm(__)m

●ドガ展

「踊り子」で有名なフランスの画家、エドガー・ドガ。「踊り子」というのが正式なタイトルなのかと思っていたら「踊り子」の絵はいくつかあって、その中の「エトワール(星)」というのが私の知っていた絵の正しいタイトルでした。パリ・オペラ座で、プリンシパル(主役)を踊る花形だけの称号なのだそうです。

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(「エトワール」1876-77年 オルセー美術館)


実はこの1枚しか知らずに出かけたのですが、裸婦や彫刻に至るまでいろいろな作品があることを知ったのでした。(そういえば…mozさんのところでそんなお話を読ませていただいた記憶が…と蘇ってきましたが(笑))

「踊り子」に関しては、有名な上記の「エトワール」は華々しいステージでの姿を描いた絵ですが、ドガはそんな主役だけを追いかけて描き続けていたのではなく、舞台袖での踊り子たちの様子だったり、練習風景であったり、ということも興味深かったです。

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(「バレエの授業」1873-1876年 オルセー美術館)



今回の展覧会では「習作」と、それがもとになって作品になった物を前後で鑑賞することが出来ました。例えば女性の絵を描くための「習作」(練習作品)でスカートのドレープだけを抜き描きしてのスケッチがあったり、踊り子の足をいくつも1枚の紙の中にスケッチしていたり。作品を作り上げていくための「努力」とでも言ったら良いのでしょうか? そういう過程はとても興味深かったです。

「天才画家」のイメージがある人でもやっぱり努力していたんだな…というか、当たり前なんでしょうけれど、そんなことも感じました。

また、ブロンズの彫刻では御法度と言われる違った素材「布」を、女の子のリボンやバレエの衣装の一部に用いた作品もあったり、ドガの冒険心にも触れることが出来ます。

その他にも凄いなと思ったのは「トリミング」の仕方。普通の構図だと馬の全身を入れそうなのですが、思いっきり半分くらいでカットした絵などがありました。馬と言えば、レースで走っている姿ではなく競技に出る前の準備段階の絵などもありました。その着眼点に意外性を感じましたけれど、それがまた私には新鮮に感じました♪

展覧会はすでに9月から始まっておりますが、長い会期で12月31日まで横浜美術館でやっておりますので興味のある方はぜひぜひ♪


●内藤晃さんのピアノ・リサイタル

彼のコンサートを聴くのは3回目かな。中学の頃から知っているので、以前は身内感覚で「大丈夫かしら…」とめちゃくちゃドキドキしてその出番を待っていたものですが(といっても演奏が始まると思いっきり惹き込まれそんなドキドキ感もすぐに忘れるのですが)、さすがに最近は「プロ」としての風格も出てきて、最初からとても安心して演奏を聴くことが出来ました^^

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今回はオール・ショパン・プログラム。今年はショパン生誕200年記念イヤーなので、あっちでもこっちでも「ショパン」が取り上げられていますが、ここまでこだわってショパンと向き合っているプログラムはなかなかないんですよね。このあたりもさすがだと思います。そして使われたピアノにもこだわりがあり、ニューヨーク・スタインウェイの中でもヴィンテージ物の1912年製。ショパンに似合う音が出るということでこのピアノを選んだのだそうです。

彼の音楽を聴くと真っ先に「音楽性」とか「表現力」の素晴らしさにはっとさせられることが多かったけれど、今回は見事なまでの「響き」を堪能した2時間でした。

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(写真は以前お会いした時のものです)

中でも低音はホールの床からじわじわと伝わって響いてくるような厚みというか深みというかそれでいて重たくなく…うまく言葉では表現出来ないのですが、今までどんなピアニストからも聴いたこともないような響きが伝わってきました。

それから倍音の効果!!!!!
「倍音」というのは、「弾いている音」以外の別の高さの音(弾いていない音)の響きが聴こえてくることを言うんですけれど、この効果をすごく使っているなって思いました。今までコンサートに行って倍音を意識して聴いたことなんてなかったのだけれど、嫌でも気付かされるようなそんな音が聴こえてたんですよね。自宅に戻って内藤さんのインタビュー記事を再度読み直すと、やっぱり! 倍音のこだわりが語られていました。

ホールの構造やピアノという楽器を緻密に計算した音の出し方だと思いましたよ☆

プロの批評家の先生たちは口を揃えたように「彼はピアノを弾いているのではなく、オーケストラを指揮しているようだ。」と言われていますが、まさに実体験した気がしましたよ。ピアノ曲でありながら、様々な色彩がピアノ以上の響きになって音楽が形成されていたのは本当に素晴らしいと思いました。

夫はピアノの演奏会は初めての体験だったので、クラシック音楽も普段あまり聴かない人だし大丈夫かしら…と思っていたのですが、前半が終わった時に「もう終わったの? という感じ」という感想。よかった。ちゃんとクラシック音楽を知らない人にも伝わる音楽なのだな…と確認することに^^;

〈今後のスケジュール&CD情報〉

内藤晃さんは、同プログラムで、
[るんるん]12月4日(土)19時、スティマーザール(滋賀県守山市)にて、「守山まちを彩る音楽祭」の一環として「内藤 晃 ショパンの夕べ」が開催されます。関西方面の皆さま、内藤さんの音楽に触れられるチャンスですよ〜〜☆(お問合せは、みらいもりやま21TEL 077-514-8321)

[るんるん]12月19日(日)14時、茨城県水戸市の平山ピアノ社ショールーム「サンデーアフタヌーンコンサート」に出演。(プログラムは未定。)(お問合わせは、平山ピアノ社 029-226-1238)


[るんるん]12月1日発売のCDです!

Preludes Op.28, Etc: 内藤晃
icon3,150円

chopin.jpg♪収録曲
 ショパン
  24の前奏曲 作品28 
  ワルツ 第5番 変イ長調 作品42
  夜想曲 第8番 変ニ長調 作品27-2
  即興曲 第3番 変ト長調 作品51
  幻想曲 ヘ短調 作品49

ちなみに既に発売されているCDはこちら。超お薦めです!
 ↓ 

左=ピアノ作品集/内藤晃 Primavera2,800円
右=チャイコフスキー/The Seasons: 内藤晃(P) +janacek 吉松隆3,150円




ドガ展も内藤晃さんのコンサートもとても素敵なイベントでたっぷりと芸術を満喫した1日となりました♪ その後は美味しいパスタとワインをいただき帰路についたhappyなデートでしたよ〜☆

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コメント 19

こうちゃん

えーとですね、横浜にいったのは、20日の土曜日ですよ。
また、27~28に行く予定です。
あ、カメラ仲間との一泊です。幕張から車で行くと
飲めないのでB・ホテルに泊まることにしたんです。
そのうち、ご主人と3人で飲みたいですね。^^*
今、因幡晃なんぞ、聞いていますよ。
by こうちゃん (2010-11-23 01:35) 

クリンピア

こんにちは、クリンピアです。
やっと長~い現場を引き渡ししました。
充実感のある現場でした。
明日、明後日は夏、秋に作ったクリンピア劇場をもう一度アップしますね。
by クリンピア (2010-11-23 09:33) 

sig

すてきな一日でしたね。
この17.18日にWOWOWで「パリ・オペラ座のすべて」と「エトワール」というドキュメンタリーを放送。録画しただけでまだ見てなかったので、早速見なくちゃ。
「倍音」、とても参考になりました。
by sig (2010-11-23 10:31) 

フレンドリー2010

秋の一日をご夫婦で絵と音楽を楽しんで
過ごせるなんて素敵ですね!!
by フレンドリー2010 (2010-11-23 12:19) 

うさ

>こうちゃん
ををを…! ということは、もしかしてすれ違っていたかもですね^^>20日
残念ながら、もう明日から仕事漬けになる予定なので土日すらなくなってしまいますゆえ、次週は無理…。残念です〜。横浜には泊まりがけなんですね。それは一番安心して遊べると思います^^v まぁ、横浜じゃなくても都心あたりででも、ぜひ今度一緒に飲めたら嬉しいです♪ 写真教室セットというのも有りかな(笑)。因幡晃、懐かしいですね〜。タイトルとかは忘れちゃっているけれど、キュンとくる歌が多いですよね!
by うさ (2010-11-23 20:54) 

うさ

>クリンピアさん
お疲れ様でした! 一仕事大きな仕事を終えた後って、清々しい気持ちになりますし、さて何をしようかな〜って活力も湧いたりしますよね^^ 「クリンピア劇場」後ほど拝見させていただきますね〜〜!
by うさ (2010-11-23 20:54) 

うさ

>sigさん
お天気も良かったし、なかなか充実した一日でした。wowwowは我が家では見られないので、「パリ・オペラ座のすべて」も「エトワール」もノーチェックでした。今度ぜひ感想を教えてくださいませ☆ 「エトワール」はドガの絵の番組なんでしょうか?? 踊っている人を舞台袖からこっそり見つめている謎の紳士が描かれているとか、それは誰なんだとか、もしわかると面白いかも…です!
「倍音」は上記説明ではちょっとあまりにも不親切でしたがっっっ(夫にもよくわからないからと質問されました)。すみません。調律の方とのコラボ的な要素もあったのですが、後から追記しておこうと思います。
by うさ (2010-11-23 20:54) 

うさ

>フレンドリー2010さん
今回は珍しく夫が「ドガ展」に興味を示して夫から「行ってみようか」ということになったのでした。夫はお友達の影響でバレエに興味があり、「踊り子」見たさだったようですが、彫刻などでもバレエの彫刻があって、筋肉の使い方などがとてもよくわかるような作品だったりで、楽しめたようです♪ 音楽はめったにクラシック音楽を聴かない人なので退屈しないかと心配でしたが、演奏がとても良かったのでそんな心配も必要なかったみたいで安心しました(笑)。あ、あと例の酔っぱらいコンサートは12月11日(土)です♪ 詳細はこちら
 ↓
http://blog.livedoor.jp/yamatepiano/archives/52714295.html
by うさ (2010-11-23 20:55) 

フレンドリー2010

酔っ払いコンサート情報ありがとうございます!
これはパーティ&演奏で参加費2000円ですか?
楽しそうな企画ですね^^
by フレンドリー2010 (2010-11-23 23:51) 

明

ご夫婦で芸術とは素敵ですね♪
by 明 (2010-11-24 11:45) 

うさ

>フレンドリー2010さん
そうなんですよ〜☆ 結構差し入れがあるので飲み食い込みで2,000円になります。ゆえにいつも差し入れは私も持って行きますが(笑)。もしお時間が合えばぜひぜひ! ちなみに私は5時頃くらいから会場入り(多分それまで相方さんと連弾の合わせをしているので)して最後までいる予定です。何時に行って何時に帰っても問題なしで、一度受付を済ませたら(会費2,000円を払ったら)出入り自由ですので、つまらなかったら帰ってもいいし…というスタンスです。途中の「パーティー」という時間帯に主に飲み食いして知らない人とも団欒の時間を持ちますし、演奏を聴きながらももちろん片手にアルコールOK状態です^^v 今年はいらっしゃるかどうかはわかりませんが、例年、プロのジャズアーティストさんたちとか、尺八の先生とか、もちろんアマチュアやお子様など様々なジャンルの方たちがいらっしゃって、音が響いております♪ 
by うさ (2010-11-24 12:44) 

うさ

>明さん
「芸術」って書くとなんだか敷居が高そうに見えちゃうかもしれないのですが、要するに見て聴いて楽しんできましたという表現の方が適しているような気がします^^; 「歌って、踊って」のノリとそう変わらないといいますか…。人それぞれ見聞きしたことって感じ方が全然違っていたりするので、それを後からこんな風に感じたなんて話をするのも楽しみの一つかも♪ クラシック音楽に関しては夫は普段聴かない人なので、感想を聞くと逆にへぇ〜〜そんな風に思うんだぁ〜なんて新しい発見があったりして、これまた楽しいです♪
by うさ (2010-11-24 12:49) 

ぴんくま

羨ましいステキデートです!
倍音って面白い♪
味わってみたいです~v
by ぴんくま (2010-11-25 12:58) 

うさ

>ぴんくまさん
ぴんくま家も時々素敵なデートをされているではないですか〜。私もまねっこですよ〜(笑)。倍音体験は、調律師さんと演奏家さんとのコラボなのでめったに味わえるものではないんですよね〜。良い体験が出来たと思っています^^v
by うさ (2010-11-26 01:54) 

きこじじ

芸術の秋ですね^^
素敵だなあ~ご夫婦でデート。
by きこじじ (2010-11-26 08:51) 

うさ

>きこじじさん
なんだか「芸術」な1日になってしまいましたが…(笑)。「芸術」と書くと敷居が高くも感じられるのですが、内容的には「ゆったりとした時間」を過ごせた感じがします。夫が今、夜間勤務なので、普段は寝顔しか見ることが出来ず、会話なんてものもないのですが、この日は美術館を見た後と、コンサートの後一言、二言会話を交わせただけでも「デート気分」だったかも(爆)。
by うさ (2010-11-26 13:51) 

moz

だんなさんとのデート ♪ 素敵な一日だったのですね。
ドガ展、つたない、ぼくの記事を思い出して頂きありがとうございます。
m(__)m
エトワール、されどエトワール(笑)の展覧会だったと思います。ドガのいろんな面も改めて知ることができたりして・・・興味津々の展覧会ですよね。
その後でコンサート。結構パワーありますね、うささん ^^
やはり好きなものは、いくらでも、ですか? (笑)
内藤晃さん、聴いたことないのですが、オーケストラを指揮しているようだって言う批評があるのですね。とてもすごいと思います。ピアノをすごく多彩に鳴らすことができるってことでしょうか。
機会があれば聴きたいなと思いました。ショパンイヤーもそろそろ大詰めですよね。 ^^
by moz (2010-11-28 15:58) 

うさ

>mozさん
返信遅くなってすみません。
>エトワール、されどエトワール
もう、まさにその言葉のまま(笑)。どのくらいの時間見入ってしまったことでしょう。舞台袖から眺めている謎の紳士もさることながら、やっぱり踊り子の動きの表情やそのステージでの色彩、何とも言えないタッチ等々、なんだか凄く憧れちゃうような絵でした。

内藤晃くんの演奏は絶対にお薦めです! 「クラシック・マニア」というかなりコアな分野のファンも結構ついていて、玄人ウケもしちゃいますから^^ 以前は「響き」というよりも彼の音楽性でその音色の色彩感を存分に感じる音楽だったのですけれど、+αとして「響き」もついてきた感じなんですよね。彼の音楽はなかなかCDには収まりきらないというのが私の持論なんですけれど、12月発売のショパンはどうかな…? とちょっと期待しています♪ 
by うさ (2010-11-29 23:49) 

sig

こんにちは。
上記「パリ・オペラ座のすべて」は同バレエ団のステージづくりのプロセスや、団員たちの稽古風景などでつづられたもの。
「エトワール」とは踊り手の最高レベルの称号で、その頂点をめざす踊り子やエトワールの称号を持つ踊り子たちの生き方を描いたものでした。
両方ともとても優れたドキュメンタリーでした。(返事、遅くなりました)
by sig (2010-11-30 11:49) 

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