- 音楽あれこれ♪
●マルタ・アルゲリッチってどんな人?
マルタ・アルゲリッチは
アルゼンチン出身の女性ピアニスト。
今年(2011年)6月5日に
70歳を迎えました。
8歳ですでにオーケストラと共演したり、
4年に一度開かれるオリンピック的存在の
ショパン国際ピアノ・コンクールで
1965年に優勝している他、
大統領自らがアルゲリッチに
音楽を勉強させる場を与えるように
動いたり…
とにかく…スケールが違っているというか…
彼女が紡ぐ音楽は、情熱的で、表情豊かで、スリリングで、自由奔放で、迫力たっぷりで…
形容詞がいくつあっても足りないくらい凄い演奏をする人なんです。
とはいえ…コンサートのドタキャンも多いし、恋の噂にも事欠かなかった…。
ちょいとエピソードとして…
1980年のショパン・コンクールでのこと。コンクールの審査員をしていたアルゲリッチが「天才!」と言い切ったイーヴォ・ポゴレリッチ(人の名前です)に対して、他の審査員は0点をつけたりで、予選落ちということがありました。彼の演奏があまりに「ショパンのイメージ」からかけ離れたものだったからなんですけれど。大論争の末、アルゲリッチの言い分は通らず「私は審査員をやめます!」とだだっ子状態で審査員を降りるという事件(?)がありました。
けれどこの時、彼女が推したポゴレリッチという人は本当に素晴らしい才能を持った人で、確かに「異端児」的な存在ではあったかもしれないけれど、今ややっぱり凄いピアニストとしてその名をとどろかせています。そして私も大好きなピアニストの一人です^^*
だから彼女がただの「だだっ子」とは思えないのですけれどね…。
とにかく、わがままだの気まぐれだのと言われている人ですが^^;
そんな酷い形容詞もついて回る人なのに、それでも彼女の演奏を聴きたい! という人は後を断たないわけですよ。簡単に説明しちゃったけれど、アルゲリッチとはそういう女性ピアニストということをちょっと覚えておいてくださいな。
●お誕生日のお祝いが復興支援のCDに…
本当だったら、彼女の70歳のお誕生日をお祝いするため、ライヴ録音がCD化されるはずだったんです。けれどそれは「お祝い」という形ではなく、復興支援のために…という形に変更され、発売されることになりました。参加したアーティスト全員が録音の印税収入を放棄し、収益を被災者の復興支援のために寄付する。そういうCDとして発売されることになったんです。
そのCDにはアルゲリッチからのメッセージが入っていました。
それまで深く日本と関わりを持ってきた彼女は、3月11日の東日本大震災の一報を聞き、私達と共に心を痛めてくださっていたんです。そして、そのCDは、震災で被災したにも関わらず、早期に復旧を果たした(株)オプトロムの工場(仙台市青葉区)でプレスすることになったのだそうです。
●収録曲はこんなところで耳にしているかも…
このCDに収録されている曲は、ちょうど昨年生誕200年で盛り上がったショパンとシューマンのピアノ協奏曲。指揮=イケメン指揮者のクリスティアン・アルミンク、新日本フィルハーモニー交響楽団と共演したコンサートのライヴ録音盤です。(昨年の11月と12月のコンサートライヴ)
#59128;シューマン作曲「ピアノ協奏曲」
これはウルトラセブンの最終回で
使われた曲です。
諸星ダンがアンヌに向かって
告白するシーンでした。
「アンヌ、僕は…僕はね…
人間じゃないんだよ。
M78星雲から来た
ウルトラセブンなんだよ…!」
の後にすかさず流れる音楽です。
(ウルトラセブンの最終回のこのシーン、youtubeにありましたのでURLを貼っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=xaUpJh2y60E)
こんな劇的な場面がよく似合う曲です。
#59128;ショパン作曲「ピアノ協奏曲」第1番
この曲は
「のだめカンタービレ」の
最終楽章・後編で使われました。
のだめがシュトレーゼマンと共演した
デビューコンサートの時に弾いた曲です。
実際のピアノ演奏は
これまた私の大好きなピアニストの
ラン・ランでしたけれど^^
どちらも3楽章形式(3部に分かれている)の曲で、シューマンが全部通しておおよそ30分、ショパンが40分くらい。長い〜って思われるかもしれませんね#59142;
●アルゲリッチが弾いたら…!
曲のイメージはおおよそ湧いてきたでしょうか? それを奔放なピアニストのアルゲリッチが弾いたというCDなんですけれど、これが本当にインパクトの強い演奏でした。
シューマンの演奏は、最初にゆっくりとしたテンポで、1音1音確認するかのように始まりました。時折、アルゼンチン訛りなのか、アルゲリッチの言語なのか…楽譜に書いてある音符よりも長めにとられたり、速めにとられたり…これはテンポ(速さ)を「揺らす」という表現を使うのですが、そんな感じで揺れながらメロディーが奏でられていきます。その「揺れ」の中には、彼女の「想い」が深くこめられていました。
私、実はCDってあまり好きじゃないんですね。「ライヴ派」なんですよ。ライヴでの迫力とかCDってどこか収まりきらないところがあるのではないかな…と思ったりしているので…。だけどこのCDは、とにかく最初の音を聴いた瞬間から、集中して聴かずにはいられなくなりました。音楽の力を感じずにはいられませんでした。ただただCDの中にこれほどの表現力が収まるものなのだ…と驚いてしまったんです。
●クラシック音楽に興味がなくても
このCDはクラシック音楽にあまり興味のない人でももしかすると聴けるCDなんじゃないかな…と思います。それはズケズケと心に音楽が勝手に入り込んでくるから…? かもしれません。
そんなわけで、もしちょっと聴いてみようかな…なんて思われた方がいらっしゃれば、嬉しいな…。
ショパン/Piano Concerto.1.: Argerich(P) Arming / 新日本po +schumann: Concerto (Ltd)
今回はクラシック音楽を聴いたことがない人向けに書いてみたつもりです。極力クラシック音楽の用語を使わないように誰でもわかるような表現で書いたつもりなんですが…。上手く伝わってくれると良いのですけれど…。しかも…めちゃくちゃ長くなって読みづらかったかとも思いますっっっ。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます^^
〈追記〉
今年の秋来日予定スケジュールがKAJIMOTOで発表になっていたので、追記しておきます。
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) 2011年10月 来日スケジュール
#59128;10月6日19時、兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
[Bプロ]
#59128;10月10日18時、サントリーホール[B'プロ]
#59128;10月19日19時、紀尾井ホール[Aプロ]
#59128;10月20日19時、紀尾井ホール[Aプロ]
【プログラムA】
マルタ・アルゲリッチ セレブレーションズ2011
共演: 海老彰子、堀米ゆず子、山崎伸子
曲目:ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第5番 ニ長調 op.70-1
フォーレ/ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 op.13
ドビュッシー/チェロ・ソナタ
ラヴェル/ラ・ヴァルス
【プログラムB&B’】
エフゲニー・キーシン 来日25周年 40才記念コンサート
曲目:モーツァルト/ピアノ連弾ソナタ・ハ長調 K.19d
(キーシン&アルゲリッチ)
シューベルト/幻想曲ヘ短調(キーシン&アルゲリッチ)
*10月10日の東京公演では ルトスワフスキ/パガニーニの主題による変奏曲(キーシン&アルゲリッチ) も演奏されるそうです。
♪チケットぴあでは、 2011年7月30日10時より、発売開始♪
「アルゲリッチ」で検索をかければすぐにヒットします。
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アルゼンチン出身の女性ピアニスト。
今年(2011年)6月5日に
70歳を迎えました。
8歳ですでにオーケストラと共演したり、
4年に一度開かれるオリンピック的存在の
ショパン国際ピアノ・コンクールで
1965年に優勝している他、
大統領自らがアルゲリッチに
音楽を勉強させる場を与えるように
動いたり…
とにかく…スケールが違っているというか…
彼女が紡ぐ音楽は、情熱的で、表情豊かで、スリリングで、自由奔放で、迫力たっぷりで…
形容詞がいくつあっても足りないくらい凄い演奏をする人なんです。
とはいえ…コンサートのドタキャンも多いし、恋の噂にも事欠かなかった…。
ちょいとエピソードとして…
1980年のショパン・コンクールでのこと。コンクールの審査員をしていたアルゲリッチが「天才!」と言い切ったイーヴォ・ポゴレリッチ(人の名前です)に対して、他の審査員は0点をつけたりで、予選落ちということがありました。彼の演奏があまりに「ショパンのイメージ」からかけ離れたものだったからなんですけれど。大論争の末、アルゲリッチの言い分は通らず「私は審査員をやめます!」とだだっ子状態で審査員を降りるという事件(?)がありました。
けれどこの時、彼女が推したポゴレリッチという人は本当に素晴らしい才能を持った人で、確かに「異端児」的な存在ではあったかもしれないけれど、今ややっぱり凄いピアニストとしてその名をとどろかせています。そして私も大好きなピアニストの一人です^^*
だから彼女がただの「だだっ子」とは思えないのですけれどね…。
とにかく、わがままだの気まぐれだのと言われている人ですが^^;
そんな酷い形容詞もついて回る人なのに、それでも彼女の演奏を聴きたい! という人は後を断たないわけですよ。簡単に説明しちゃったけれど、アルゲリッチとはそういう女性ピアニストということをちょっと覚えておいてくださいな。
●お誕生日のお祝いが復興支援のCDに…
本当だったら、彼女の70歳のお誕生日をお祝いするため、ライヴ録音がCD化されるはずだったんです。けれどそれは「お祝い」という形ではなく、復興支援のために…という形に変更され、発売されることになりました。参加したアーティスト全員が録音の印税収入を放棄し、収益を被災者の復興支援のために寄付する。そういうCDとして発売されることになったんです。
そのCDにはアルゲリッチからのメッセージが入っていました。
マルタ・アルゲリッチからのメッセージ:
地震の犠牲となられた方々のため、私にできることはなんでもいたします。
シューマンとショパンのライヴ録音もそのために役立ててください。
私は日本の状況をとても憂い、とても気にかけています。
ニュースをずっと見ていますが、日本の皆様の計り知れない痛みと、
それに耐える勇気を感じ、皆様への深い愛と尊敬の念を抱かずにはいられません。一刻も早く日本を訪れることを願っています。
言葉ではとても表現しつくせなくてごめんなさい。
それまで深く日本と関わりを持ってきた彼女は、3月11日の東日本大震災の一報を聞き、私達と共に心を痛めてくださっていたんです。そして、そのCDは、震災で被災したにも関わらず、早期に復旧を果たした(株)オプトロムの工場(仙台市青葉区)でプレスすることになったのだそうです。
●収録曲はこんなところで耳にしているかも…
このCDに収録されている曲は、ちょうど昨年生誕200年で盛り上がったショパンとシューマンのピアノ協奏曲。指揮=イケメン指揮者のクリスティアン・アルミンク、新日本フィルハーモニー交響楽団と共演したコンサートのライヴ録音盤です。(昨年の11月と12月のコンサートライヴ)
#59128;シューマン作曲「ピアノ協奏曲」
これはウルトラセブンの最終回で
使われた曲です。
諸星ダンがアンヌに向かって
告白するシーンでした。
「アンヌ、僕は…僕はね…
人間じゃないんだよ。
M78星雲から来た
ウルトラセブンなんだよ…!」
の後にすかさず流れる音楽です。
(ウルトラセブンの最終回のこのシーン、youtubeにありましたのでURLを貼っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=xaUpJh2y60E)
こんな劇的な場面がよく似合う曲です。
#59128;ショパン作曲「ピアノ協奏曲」第1番
この曲は
「のだめカンタービレ」の
最終楽章・後編で使われました。
のだめがシュトレーゼマンと共演した
デビューコンサートの時に弾いた曲です。
実際のピアノ演奏は
これまた私の大好きなピアニストの
ラン・ランでしたけれど^^
どちらも3楽章形式(3部に分かれている)の曲で、シューマンが全部通しておおよそ30分、ショパンが40分くらい。長い〜って思われるかもしれませんね#59142;
●アルゲリッチが弾いたら…!
曲のイメージはおおよそ湧いてきたでしょうか? それを奔放なピアニストのアルゲリッチが弾いたというCDなんですけれど、これが本当にインパクトの強い演奏でした。
シューマンの演奏は、最初にゆっくりとしたテンポで、1音1音確認するかのように始まりました。時折、アルゼンチン訛りなのか、アルゲリッチの言語なのか…楽譜に書いてある音符よりも長めにとられたり、速めにとられたり…これはテンポ(速さ)を「揺らす」という表現を使うのですが、そんな感じで揺れながらメロディーが奏でられていきます。その「揺れ」の中には、彼女の「想い」が深くこめられていました。
私、実はCDってあまり好きじゃないんですね。「ライヴ派」なんですよ。ライヴでの迫力とかCDってどこか収まりきらないところがあるのではないかな…と思ったりしているので…。だけどこのCDは、とにかく最初の音を聴いた瞬間から、集中して聴かずにはいられなくなりました。音楽の力を感じずにはいられませんでした。ただただCDの中にこれほどの表現力が収まるものなのだ…と驚いてしまったんです。
●クラシック音楽に興味がなくても
このCDはクラシック音楽にあまり興味のない人でももしかすると聴けるCDなんじゃないかな…と思います。それはズケズケと心に音楽が勝手に入り込んでくるから…? かもしれません。
そんなわけで、もしちょっと聴いてみようかな…なんて思われた方がいらっしゃれば、嬉しいな…。
ショパン/Piano Concerto.1.: Argerich(P) Arming / 新日本po +schumann: Concerto (Ltd)
今回はクラシック音楽を聴いたことがない人向けに書いてみたつもりです。極力クラシック音楽の用語を使わないように誰でもわかるような表現で書いたつもりなんですが…。上手く伝わってくれると良いのですけれど…。しかも…めちゃくちゃ長くなって読みづらかったかとも思いますっっっ。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます^^
〈追記〉
今年の秋来日予定スケジュールがKAJIMOTOで発表になっていたので、追記しておきます。
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) 2011年10月 来日スケジュール
#59128;10月6日19時、兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
[Bプロ]
#59128;10月10日18時、サントリーホール[B'プロ]
#59128;10月19日19時、紀尾井ホール[Aプロ]
#59128;10月20日19時、紀尾井ホール[Aプロ]
【プログラムA】
マルタ・アルゲリッチ セレブレーションズ2011
共演: 海老彰子、堀米ゆず子、山崎伸子
曲目:ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第5番 ニ長調 op.70-1
フォーレ/ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 op.13
ドビュッシー/チェロ・ソナタ
ラヴェル/ラ・ヴァルス
【プログラムB&B’】
エフゲニー・キーシン 来日25周年 40才記念コンサート
曲目:モーツァルト/ピアノ連弾ソナタ・ハ長調 K.19d
(キーシン&アルゲリッチ)
シューベルト/幻想曲ヘ短調(キーシン&アルゲリッチ)
*10月10日の東京公演では ルトスワフスキ/パガニーニの主題による変奏曲(キーシン&アルゲリッチ) も演奏されるそうです。
♪チケットぴあでは、 2011年7月30日10時より、発売開始♪
「アルゲリッチ」で検索をかければすぐにヒットします。