降りたことのないモノレールの駅、羽田空港のお隣「新整備工場」駅下車。「JAL M1ビル(メインテナンスセンター1ビル)」にて行なわれました。
スケジュールは、下記の通り。
〈その1 整備編〉最初は、整備士の幸地隆さんと高橋修さんより、整備についてのお話がありました。
整備士になるための
修行とも言えるべき道のり、
そして飛行機の整備の
頻度等についてのお話でした。
ちなみに、右の印鑑は、
整備士さんでも
一番上のランクにならないと使用出来ないというもの。
初級→2級→1級→運行整備士ライン確認主任者と最低でも10年以上はかかってしまう修業の証です。ラッキーにも、私の紙に押していただくことができました^^v
整備士さんのイメージ的には、力仕事が主なのかな…と思っていたのですが、後から具体的に見せていただいたことで、本当に繊細な仕事ばかりなのだ…と知ることとなりました。
お話の後はいよいよ工場見学です。
すごい!! これは飛行機好きじゃなくてもテンションが上がります! まるでアニメの世界に迷いこんだかのように思えました。高い天井、大きなガラス窓から差し込む光、そして広い広い場所で、まるでガリバーのように小さく人々が忙しそうに動いているのです。こんな景色は生まれて初めてです。
●JALEC トレーニングセンターまず最初は整備士さんたちが、練習する場所、トレーニングセンターから見せていただきました。以前はちゃんとしたお部屋があったそうなのですが、破綻を機にこの場所に移動し、今は整備工場の片隅に、簡単な壁で仕切られた暖冷房もない環境でトレーニングを積まれているのだそうです。
トレーニングってどんなの? って思いますよね。
例えば、
この数ミリの針金を10cmくらいこよりのように捻って留める作業があるそうです。この捻り方も良い捻り方と悪い捻り方、針金の始末の仕方によって、大きなNGになってしまうこともあるとか。飛行機の内部って、なんて繊細なのでしょう! しかも人の手でこの作業をやっているということも驚きました。
写真のように、やりやすい場所にこの留め金がくるとは限らず逆さまになりながら、こういう作業をされることもあるのだとか。整備士さんたちの苦労を垣間みることとなりました。
●機体構造課次に、上記の作業をするための部品を見せていただきました。
何百、何千種類の部品があるのでしょう…?! と思うくらい、小さな引き出しがたくさん並んでいます。部品一つ一つも小さいし。形もそれぞれ違うものがぎっしり。こんなに小さな物が一つでもなくなってしまうと飛行機が大変なことになってしまうそうで。管理だって大変だと思いますよ。
間違えて違った引き出しに戻してしまってもアウトでしょうし。どこに何があるのかだって、それを覚えることだって大変でしょうね…。ただただ、ホントにその凄さを感じました。
整備士さんたちは、ほんの少しでも気になることがあれば、とことん夜遅くなろうが休日だろうが、その原因を突き止めようと努力されているのだそうです。そうじゃなければ、確かに「安全性」って確保出来ないものなんですよね…。それにしても…自分の仕事と比較出来るものではないけれど、ここまで神経を使って、集中されての作業は大変なことだと思いました。もちろん、居眠りなんて出来るわけがない!!!(笑)
●再び整備室へ今度は実際に整備されていらっしゃる方たちのところまで連れて行っていただきました。こんなに間近で飛行機の整備を見たことももちろん初めてですし、機体の内部まで見せていただけるとは…!
更に近づき、どんな点検や補修作業をしているのかもしっかり見せていただき、感動もの!
そしてこれは飛行機の羽の下についている「ジェット・エンジン」部。
このエンジンの裏側に回ってみると、やっぱりすごいメカニックですよ! カッコイイ!!
と、思っていたところ、ここで幸地さんより、説明が。先程のこより状のワイヤーが使われていたのです。
拡大してみると…!
ををを…!!! こんな風に使われているのですね。こういう手作業部分が意外にも多いみたいなんです。飛行機って…手作り感ある物とはほど遠いイメージですが(笑)。人間ってすごいなぁなんて思ってしまいました。
その他にも羽の上に乗せてもらったり、後方にある噴射口まで覗かせていただきました。
幸地さんは、私たちを案内しながら、ぶっちゃけ裏話等も含め、とても楽しくお話してくださいましたが、時にこんなこともお話してくださいました。
「海外などでたまにあるのですが、『このくらいなら大丈夫かな』という基準で時間の関係上、飛行機を飛ばすことがあるのですが、『JAL』の整備士たちは絶対に妥協しません。安全に関して、それはそれは自分たちの出来得る限りのことを常に自分たちの目で確認して、納得出来るまで追及しています。整備士の者たちはみんな自分の仕事に責任を持ち、誇りを持って仕事をしています。それは自負しております!」と。
また、
「ご迷惑をおかけしたからこそ、信頼を取り戻したいのです。」とも。
その言葉の重みがとても心に響きました。目の当たりに作業現場を見せていただき、作業をされている方たち一人一人の姿が本当に一生懸命されていることも含め、正に幸地さんの言葉の通りだと知ることとなりました。(続く)
今後の予告と今日の写真をまとめたという形でスライドショーにしてみました。
よければ見てやってください^^
BGMは、ドビュッシー作曲/「ベルガマスク組曲」より〈前奏曲〉です。
ピアノはヴァルター・ギーゼキング 1953年の録音で、「
Public Domain classic 」より著作権切れの音源をお借りしております。
通常、見学コース等の写真をブログ等にアップするのは、禁止されているそうですが、今回は特別な主旨があってということでアップさせていただいております。ちなみに動画撮影は禁止でした。
後編に続く