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有終の美を飾った義父に…たくさんの優しさと温かさをありがとう [想いをめぐらせ…]

更新が滞っており、皆様のところにもうかがえない日々が続きました。

8月に母が他界し、四十九日の法要を無事に終えたのもつかの間…
この10月、義父(ちち)もこの世を後にしてしまいました。今年は試練の年になってしまったようです。


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一人暮らしだった義父とプチ同居を始めましょう! と、スタートした翌朝、義父は倒れてしまいました。救急車の中で意識が戻ったのですが…。翌々日には帰らぬ人となってしまいました。


〈温かな時間の流れ〉

義父の人柄を一言で表すならば「気配りの人」これに尽きます。
仕事で出会った方、趣味の俳句を通してご縁を頂いた友人方、そして私たち家族にまで…
いつの日も穏やかな心で接してくれたことが
鮮やかによみがえってまいります。


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義母(はは)亡き後、ひとりで暮らす父のもとに出社前にたまに朝食を作りに通っていた時期もあったのですが、寒い日の朝などは、私が行く前から、台所に電気ストーブを用意してくれて、温めてくれていました。薄暗い台所に灯されたストーブの柔らかな色が、心の中にまで光をあててもらえているように思えました。


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義父が手入れしていた庭を見ながら、よくお花の話をしました。
山茶花(さざんか)の花がひとつ咲いた時… ↑ 義父曰く

「まるで『これからみんな咲きだしますからね』と宣言するみたいに、毎年必ず一番に咲く花は一輪だけなんですよ。しかも、必ずひっそりと葉っぱの陰に隠れて遠慮がちに咲くんです。」


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金木犀を見ながら、
「どうしてみんな『何日に咲きましょう』って相談したかのようにあっちこっちで一斉に咲き出すんだろうねぇ」…と。


時々、義父は私のためにデザートを用意してくれたりもしました。
柿をむいてくれていたり、トマトを切っておいてくれていたり…。そんな気配りをしてくれる人でした。


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義父と会話を交わしながらの朝食は、普段、時間と戦っているような生活をしている私にとって、心が豊かになれる時間でした。そしてとても温かな時間でした。


〈有終の美ってこういうことなのかもしれない…〉

義父は亡くなる数時間前、ひげそりをしました。もうシェーバーを持つ手にも力が入らず、夫や義妹や私が鏡を持ってあげたり、それぞれ支えてあげながら3人がかりでやっとの思いで髭をそりました。

おそらく、このあと、何人も義父に会いに来てくださるということを察していたのかもしれません。義父は、身だしなみにもとても気を使う人でした。


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親戚の方々、趣味を共にされてきた友人の方々がお見舞いに来てくださいました。昔、一緒にボランティアをしていたお話、親戚で集まった時のお話…時折見せる義父の笑顔に、会いに来てくださった方たちは「まだ大丈夫ね!」と、安心した気持ちで病室を後にされたに違いありません。私たちだって、そう思っていたのですから…。


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主治医から今晩がヤマです。と言われたので、私たち夫婦と義妹の3人で病院に泊まることにしました。

医療機器の危ういピンポンピンポンという音が常に鳴り響いている病室でしたが、よくわからないけれど、なぜだか、みんな修学旅行気分のように、明るく楽しくいろいろな話をしました。


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幻覚を追っている義父にもそれが聞こえていたのではないかと思います。もう話すことすら出来なかったのですが、時折「そうですね。」と頷いているようにも思えました。私たちがとても仲良く話しているのを感じ、安心してくれたようにも思えました。


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手を握ったり、足をさすったり、そんなことしか出来なかった私たちですが、冷房がキツイ場所があるからとローテーションしながらだったのは、お義父さんの顔をそばで見られる特等席を作るために…最後の挨拶をみんなとしたかったお義父さんの仕業だったのかもしれませんね。


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午前1時半を回り…それまで安定していたと思われていた義父の数値があっという間に落ちていきました。私たちは覚悟しました。…多分、「覚悟」する時間を義父が作ってくれていたのだと思うのです。

最後までそばにいさせてもらえたのは、自分の両親に出来なかった幕引きを、お義父さんは私にさせてくれる場を与えてくださったようにも思えてなりません。


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そして、いろいろな人とお別れの挨拶もちゃんとできた1日でしたね。朝から身だしなみを整えて…入れ替わり立ち替わりお見舞いに来てくださった方たちと挨拶を交わし、私たちに最後の力を振り絞って「覚悟」を決めさせてくれた義父。

亡くなったのは、本当に辛くて哀しくて…言葉には出来ないくらいだけれど…
でも、どこか穏やかにちゃんと見送ることが出来たような気がして…次に私たちがするべきことまで教えてくれたような…そんな気がするのです。

もしかすると…これが「有終の美」っていうのかな…すごく綺麗な最期を見せてくれた気がしました。


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相手を思う義父の優しさに、私たちは何度も背中を押してもらいました。嫁としては本当にダメダメな私でしたが、温かく受け容れてくださり、いろいろなことを教えてくださった義父に心から「ありがとう」という言葉を届けたいです。

そして、毎日「丁寧に生きてきた義父の生き方」は…
これからも私たち家族のお手本であり続けるのだと思います。


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重たかったと思いますが…ここまで読んでくださり、ありがとうございました。



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お花が大好きだった義父を送るページは、たくさんのお花で飾ってあげたいと思ったので、写真は今まで撮ってきたお蔵入りしていたものの中から、四季折々の白、ブルー、紫系のお花をピックアップしてみました。実際に義父宅の庭のお花をiPhoneで撮ったものも何枚か混ざっています。


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また、このたびのことでご迷惑をおかけしたにも関わらず、母のこと、義父のことと、続いてしまった事情をご配慮いただき、記事の締切を延ばしてくださったり、温かなメッセージをくださったEC担当者様、ASP担当者様、そして温かな言葉をかけてくださった先輩AFさんたち…みなさんのお気持ちが本当に嬉しく思いました。ありがとうございました。次回からまた頑張って、通常の記事に戻ります。



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コメント 12

ハル

お話を読んで涙がこぽれ落ちました。
とても素敵なお義父様ですね
四季に咲くお花の気持ちまで推し量る
優しく繊細な心根に感動しました。

やすらかに。
by ハル (2015-10-31 03:10) 

sig

みなさんに温かく見守られて、その気持ちをしっかりと受け止めながら旅立たれたと思います。何よりのお見送りだったのではないでしょうか。すばらしい人生のまとめかた。見習いたいものです。うささんが悲しいお気持ちから早く立ち直れますように。
by sig (2015-10-31 21:44) 

うさ

>ハルさん
暖かいコメントそありがとうございました。
義父と話していると、いつもその感性に驚かされていました。
そういう視点に奥の深さを感じながらお話させていただいた時間は今となっては貴重だったな…と思います。
by うさ (2015-11-02 00:21) 

うさ

>sigさん
きっとそうだと思いたいです。
「人生のまとめ方」まさにその言葉の通りですね。
書かなかった部分でも、不思議な巡り合わせなど他にもたくさんあったんです。
私たちに最後に教えてくれようとしたことだったと受け止めて、今は夫共々、前を向いて歩いていける気持ちになっています。
暖かいコメントありがとうございました。
by うさ (2015-11-02 00:21) 

橋本洋子

ただ涙が溢れてきて、まるで私もが、うささんであるかのように心が静かになったり、納得したり、感謝したり…。
素敵なお義父さまと出会えて良かったですね。合掌。
by 橋本洋子 (2015-11-02 16:13) 

れふこ

うさ様、美しい花の写真と共に
静かな想いを有難うございます。私も

うさーしゃさんのような心持ちになりたいです。

・・合掌。

by れふこ (2015-11-02 19:58) 

うさ

>橋本さん
優しいコメントをありがとうございます。
身内のことをこんなに褒めていいのかしら…とも思うのですけれど、義父との時間は本当に尊いものに感じていたことは事実なんです。教えていただけたことを自分の中で消化していけるように、これから自分も丁寧に生きていきたいなと思います。
by うさ (2015-11-03 00:57) 

うさ

>れふこさん
ありがとうございます。これから義父との時間を今まで以上に大切にしていきたいなと思っていた矢先のことだったので…。れふこさんは、親孝行したいと思ったときに、ちゃんとしておいてくださいね。
by うさ (2015-11-03 00:57) 

としぽ

遅くなりましたm(__)m
身近な人が相次いで逝ってしまうのは辛いですね。
心の中にはいつまでも生き続けていますね。
ご冥福をお祈りします。

by としぽ (2015-11-06 22:34) 

うさ

>としぽさん
いつもいつも暖かい言葉をかけてくださり、ありがとうございます。
続いてしまって…本当にショックな日々が続いていたのですけれど…少しずつ元気を取り戻し始めています。いつまでも悲しんでばかりいても天から見ていて、喜ばないだろうな…って思いますので。夫共々、少しずつ笑顔も戻ってきました。
by うさ (2015-11-07 00:59) 

katakiyo

有終の美、義父さんも周りの方に気配りをされたのでしょうね、
素晴らしい人生で有ったと満足され旅立たれましたね。
by katakiyo (2015-11-12 17:07) 

うさ

>katakiyoさん
暖かいコメントをありがとうございます。
最後の最後まで親戚が来た時には気配りを忘れていませんでした。
正直なところ私がもう少し動いていたら…もう少し義父は長生きできたのではないかしら…と後悔も多々あって、苦しくなることもあります。
素晴らしい人生だったと思ってくれていたなら…私たち遺族も救われます。
by うさ (2015-11-15 01:56) 

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