ラリースト・折登文洋さんに訊く☆2014年大反省会&2015年に向かって [人]
昨年に続き、今年もラリーストの飲み友達、おりぴーこと折登文洋(おりと・ふみひろ)さんに、ラリーのお話を伺いました。折登さんは今年は、初めて全日本ラリー選手権という大きな大会にトライするという攻めの1年だったようです。
ラリーというのは、一般道で何回か同じコースを走り、タイムを競う競技。
(もっと知りたい方は昨年のこちらの記事をどうぞ。→ラリースト・折登文洋さんに「ラリー」のことを教えてもらいました♪)
折登さんは、昨年(2013年)の地区大会ではぶっちぎりの優勝(笑)などを果たされ、今年(2014年)は全日本ラリー選手権に初トライということで、下記の4大会に出場されました。
(うさ) まずは、全日本に参加された感想からお聞かせください。
(おりぴー) 実は…もうちょっと普通の順位を取れると思っていたんですけれど(笑)。正直なところ、ここまで緊張するとは思っていませんでした。1戦目(ツール・ド・九州)は箸にも棒にもかからなくて、途中で競技を投げ出したくなるくらいの状況に追いつめられました。出て初めて「全日本って凄い場所なんだな」って思い知らされました。
なぜそんなにあがってしまったのですか?
昨年まで出ていた地区大会は、走っているところにはほとんど人がいないようなところだったんですよね。見に来ている人がいても数人程度。今年出場した大会は、見せるためにわざわざコースを作るような大きな華やかな大会だったので雰囲気にのまれてしまったということが大きかったと思います。
全日本の観衆ってどのくらい集まるのですか?
各大会で違いますが、1万人くらいから、最終戦(新城ラリー2014)は今年は4万8千人くらい来たようです。
それは凄いですね。まさに「大観衆」の前で走ってきたんですね。お友達レベルでカラオケに行っていたような人がいきなり武道館に立たされ歌わされるみたいな感覚(笑)?(ちなみに日本武道館の収容人数は2万人)
最終戦の新城ラリーはトヨタの本社の近くということもあり、特に華やかで、大勢の人に見せるために大会のためだけのコースを公園内に作るんです。有名な選手をゲストで招いていたり、一日中何かしらイベントをやっていてお祭りのような感じです。そんな中で走るのは初めての経験だったので、とにかく空気にのまれましたね。
それでも4回出場され、少しずつ上向きになってきたようですね。
初戦では、あがってしまって、人が大勢見ている前で車をぶつけるという大失敗をしたんですよね…。だから2戦目からはもっと精神的なこと、気持ちをコントロールするという「覚悟」をもって挑むようになったので、回を重ねるごとに少しずつコントロールできるようにはなってきたと思います。2戦目、3戦目も結果としてそんなに残ってはいませんが、少しずつ自分のいいところも出始めてきたように思います。
最後の4戦目での感触は特に良かったと聞いていますが。
「順位」という結果だけを見ると、そんなに大きく伸びたというわけではないのですが、走っている何回かは自分でも納得できるそれなりの良いタイムを出せました。車とコースが合っていたということもありましたね。
自分の中で、ここは苦手なんだと新たに認識できた部分もあったし、その辺の課題を頑張ってカバーしていけば、最初に自分がイメージしていたある程度の順位まではいけるのではないかという感触を得ることは出来たと思います。もちろん、もっともっと努力しなければそこまではいけませんが。
全日本に出てみてよかったと思うことは?
全日本に出ている人たちは、やっぱりみんな速いんですけれど、その速い人たちが、本気で一生懸命やっているっていうことがわかったことです。自分は弱くて逃げる部分があるんだなって認識し直しました。
何か具体的な出来事があったんですか?
大雨が急に降ってきて道に水がたまり、川のようになってくると走り方はやっぱり変えていかなくてはいけないのですが、それぞれのトライの仕方なども見えてきたんですよね。ここでトップをとるのは自分だと思って同じペースで走ってぶつかりリタイアする人もいれば、ここは危ないからと勝負をおりたように安全に走る人が優勝するとか…。トップの選手たちはもっと余裕をもって走っているのかと思っていたのですが、みんな本当に自分の限界に近い状態で走っていたし、それでリタイアしているのを見て、いろいろ考えさせられました。結果的に運もあると思うけれど、スタンス的にどっちが好きか嫌いかってことになると思うんですけれど。
>
イチかバチかの勝負をかけるか、安全策をとるかっていうことですか?
イチかバチかというより、「自信」のようなことじゃないかと思うんです。「運」だけじゃなく、「実力」にするためにシリーズ戦があると思うんです。何戦もするわけですから、テクニックをつけていく練習をしていけたらいいなと思いますね。
以前、監督が言っていた言葉なんですが、「120%頑張るというのは、ダメだ。1回でもそのスピードでそのコーナーに入れて曲がりきれたという経験があるのであれば、偶然かもしれないけれど、少なくとも100%実力を出し切れば出来るという可能性があるということ。1度出来たのであれば、いつも出来るようになるように練習しましょう。」って。7、80%くらいの力が出せていたら、それを100%まで引き上げていって出来るようになった時に、更に上を目指すことが出来るっていうことなんですよね。
自分の100%を出せるようになるのは、難しいってわかります。私もピアノでも同じだったから(笑)。
さて、それでは最後に来年(2015年)の抱負を教えてください。
そうですね…コンスタントに入賞できるようになりたいですね。自分の得意な部分で「これだけ良いタイムをちゃんと出せます!」と自信をもって宣言できるように日々努力していきたいですね。それが出来るようになれば、もう少し上に向かって戦う方法がわかってくると思います。
また「美味しいお酒」が飲めるように(笑)、来年は更なる活躍を期待していますね!
スポンサーさんからご提供いただいている備品の一部見せていただきました。
株式会社アルファ
オリジナルブレーキパットや
レーシング用品を作っている会社。
折登さんが使っているのは
ブレーキパット、
レイーシングスーツ、
グローブ。
「特にブレーキパットは、
天気やコースで利き方を変えたいので、ちょっとずつ違う物を作ってもらって
ラリーの時に選んで使用しています。型がわかれば、どんな車にも合うように作ってくれます。」
PIAA株式会社
ライトのメーカーさんです。
といっても、
その他にも車の用品は
かなりのラインナップで、
ワイパー、エアコンフィルター、
ホイールからキャリア、
ルーフボックスまで
いろいろあります。
最近はLEDのヘッドライトのバルブが出たそうです。
「運転すると明るくて見やすいし、外から見ると車のシルエットがノーマルと比べてエレガントに見えます。」
TOTAL(トタル・ルブリカンツ ジャパン)
トタルは車や船の
油脂類を作っている会社。
フランスに本社があり、
海外ではガソリンスタンドも
やっています。
折登さんが使っているのは、
エンジン、ミッションギア、
ブレーキのオイル。
「今までいろいろなオイルを
試してみましたが、
トタルが一番好きですね。
凄いと思うところは、
市販されている製品をそのままモータースポーツのトップチームが使っているところでしょうか。」
*今回の記事中の写真は、全て夫サンが撮影いたしました。1枚だけ雪が降っているようなのは、私が勝手にイメージとして加工したものです^^;;
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ラリーというのは、一般道で何回か同じコースを走り、タイムを競う競技。
(もっと知りたい方は昨年のこちらの記事をどうぞ。→ラリースト・折登文洋さんに「ラリー」のことを教えてもらいました♪)
折登さんは、昨年(2013年)の地区大会ではぶっちぎりの優勝(笑)などを果たされ、今年(2014年)は全日本ラリー選手権に初トライということで、下記の4大会に出場されました。
ツール・ド・九州 2014 in 唐津
モントレー2014 in 群馬
第50回大阪電通大チャリティラリー 丹後半島ラリー2014
新城ラリー2014
(うさ) まずは、全日本に参加された感想からお聞かせください。
(おりぴー) 実は…もうちょっと普通の順位を取れると思っていたんですけれど(笑)。正直なところ、ここまで緊張するとは思っていませんでした。1戦目(ツール・ド・九州)は箸にも棒にもかからなくて、途中で競技を投げ出したくなるくらいの状況に追いつめられました。出て初めて「全日本って凄い場所なんだな」って思い知らされました。
なぜそんなにあがってしまったのですか?
昨年まで出ていた地区大会は、走っているところにはほとんど人がいないようなところだったんですよね。見に来ている人がいても数人程度。今年出場した大会は、見せるためにわざわざコースを作るような大きな華やかな大会だったので雰囲気にのまれてしまったということが大きかったと思います。
全日本の観衆ってどのくらい集まるのですか?
各大会で違いますが、1万人くらいから、最終戦(新城ラリー2014)は今年は4万8千人くらい来たようです。
それは凄いですね。まさに「大観衆」の前で走ってきたんですね。お友達レベルでカラオケに行っていたような人がいきなり武道館に立たされ歌わされるみたいな感覚(笑)?(ちなみに日本武道館の収容人数は2万人)
最終戦の新城ラリーはトヨタの本社の近くということもあり、特に華やかで、大勢の人に見せるために大会のためだけのコースを公園内に作るんです。有名な選手をゲストで招いていたり、一日中何かしらイベントをやっていてお祭りのような感じです。そんな中で走るのは初めての経験だったので、とにかく空気にのまれましたね。
それでも4回出場され、少しずつ上向きになってきたようですね。
初戦では、あがってしまって、人が大勢見ている前で車をぶつけるという大失敗をしたんですよね…。だから2戦目からはもっと精神的なこと、気持ちをコントロールするという「覚悟」をもって挑むようになったので、回を重ねるごとに少しずつコントロールできるようにはなってきたと思います。2戦目、3戦目も結果としてそんなに残ってはいませんが、少しずつ自分のいいところも出始めてきたように思います。
最後の4戦目での感触は特に良かったと聞いていますが。
「順位」という結果だけを見ると、そんなに大きく伸びたというわけではないのですが、走っている何回かは自分でも納得できるそれなりの良いタイムを出せました。車とコースが合っていたということもありましたね。
自分の中で、ここは苦手なんだと新たに認識できた部分もあったし、その辺の課題を頑張ってカバーしていけば、最初に自分がイメージしていたある程度の順位まではいけるのではないかという感触を得ることは出来たと思います。もちろん、もっともっと努力しなければそこまではいけませんが。
全日本に出てみてよかったと思うことは?
全日本に出ている人たちは、やっぱりみんな速いんですけれど、その速い人たちが、本気で一生懸命やっているっていうことがわかったことです。自分は弱くて逃げる部分があるんだなって認識し直しました。
何か具体的な出来事があったんですか?
大雨が急に降ってきて道に水がたまり、川のようになってくると走り方はやっぱり変えていかなくてはいけないのですが、それぞれのトライの仕方なども見えてきたんですよね。ここでトップをとるのは自分だと思って同じペースで走ってぶつかりリタイアする人もいれば、ここは危ないからと勝負をおりたように安全に走る人が優勝するとか…。トップの選手たちはもっと余裕をもって走っているのかと思っていたのですが、みんな本当に自分の限界に近い状態で走っていたし、それでリタイアしているのを見て、いろいろ考えさせられました。結果的に運もあると思うけれど、スタンス的にどっちが好きか嫌いかってことになると思うんですけれど。
イチかバチかの勝負をかけるか、安全策をとるかっていうことですか?
イチかバチかというより、「自信」のようなことじゃないかと思うんです。「運」だけじゃなく、「実力」にするためにシリーズ戦があると思うんです。何戦もするわけですから、テクニックをつけていく練習をしていけたらいいなと思いますね。
以前、監督が言っていた言葉なんですが、「120%頑張るというのは、ダメだ。1回でもそのスピードでそのコーナーに入れて曲がりきれたという経験があるのであれば、偶然かもしれないけれど、少なくとも100%実力を出し切れば出来るという可能性があるということ。1度出来たのであれば、いつも出来るようになるように練習しましょう。」って。7、80%くらいの力が出せていたら、それを100%まで引き上げていって出来るようになった時に、更に上を目指すことが出来るっていうことなんですよね。
自分の100%を出せるようになるのは、難しいってわかります。私もピアノでも同じだったから(笑)。
さて、それでは最後に来年(2015年)の抱負を教えてください。
そうですね…コンスタントに入賞できるようになりたいですね。自分の得意な部分で「これだけ良いタイムをちゃんと出せます!」と自信をもって宣言できるように日々努力していきたいですね。それが出来るようになれば、もう少し上に向かって戦う方法がわかってくると思います。
また「美味しいお酒」が飲めるように(笑)、来年は更なる活躍を期待していますね!
折登文洋(おりと・ふみひろ)=1978年11月1日生まれ。「Rallytech Works」代表の金井雅志が率いる「TEAM Rallytech Works(チーム・ラリーテック ワークス)」所属。仕事では、チーフメカニックを担当。プライベートではドライバーとしてラリーに参戦。世界ラリー選手権・アジアパシフィックラリー選手権、マレーシアラリー選手権でメカニックとして培ったデータを基に、自分の車を製作。ドライバーとして挑戦中。2011年、2012年は、各シリーズ該当クラスでシリーズチャンピオンを獲得。
スポンサーさんからご提供いただいている備品の一部見せていただきました。
株式会社アルファ
オリジナルブレーキパットや
レーシング用品を作っている会社。
折登さんが使っているのは
ブレーキパット、
レイーシングスーツ、
グローブ。
「特にブレーキパットは、
天気やコースで利き方を変えたいので、ちょっとずつ違う物を作ってもらって
ラリーの時に選んで使用しています。型がわかれば、どんな車にも合うように作ってくれます。」
PIAA株式会社
ライトのメーカーさんです。
といっても、
その他にも車の用品は
かなりのラインナップで、
ワイパー、エアコンフィルター、
ホイールからキャリア、
ルーフボックスまで
いろいろあります。
最近はLEDのヘッドライトのバルブが出たそうです。
「運転すると明るくて見やすいし、外から見ると車のシルエットがノーマルと比べてエレガントに見えます。」
TOTAL(トタル・ルブリカンツ ジャパン)
トタルは車や船の
油脂類を作っている会社。
フランスに本社があり、
海外ではガソリンスタンドも
やっています。
折登さんが使っているのは、
エンジン、ミッションギア、
ブレーキのオイル。
「今までいろいろなオイルを
試してみましたが、
トタルが一番好きですね。
凄いと思うところは、
市販されている製品をそのままモータースポーツのトップチームが使っているところでしょうか。」
*今回の記事中の写真は、全て夫サンが撮影いたしました。1枚だけ雪が降っているようなのは、私が勝手にイメージとして加工したものです^^;;
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このType-Rは いまになっても本当にカッコイイです!
by お茶屋 (2014-12-23 15:53)
>お茶屋さん
をを! さすがですね♪
>Type-R
とすらっと言葉が出てくるあたり、通じゃないとわからないと思われます(笑)。っていうか私が知らなすぎなのかもしれませんが。あとカッコイイ「ステッカー」が貼ってあると、素人でも「素敵!」なんて思ってしまいます♪
by うさ (2014-12-23 16:01)
わぉ!目んずらすぃねぇ〜^ ^
うささんが車を紹介するなんて!
車ってわけでもないねんけどさ。
「かっとびの…」なぁんて言われよった時代もありましたわなぁウチかて。
遠い々昔のことやけどぉ(*´艸`)!!
by suzu* (2014-12-23 22:52)
>suzu*さん
えへへ(^^* 珍しいでしょう。
お友達応援企画という感じで、昨年もやっているのですけれど、もしかすると年に1度シリーズ化しちゃうかも(笑)。
suzu*さんはかっとび系でしたか。実は私も昔は車もって高速飛ばしていたんですよね(遠い目)。今はもう車を維持できるほとの稼ぎがないので手放してしまったけれど^^;;
by うさ (2014-12-24 00:27)
写真も草ですが、その道を極めるのは大変な苦労の連続なのですね。
by katakiyo (2014-12-24 05:38)
こんにちは。
うささんは音楽かと思っていたら、なんとカーラリーのインタビューアーまで。すごいですね。写真の雪の効果は素敵です。全く疑いませんでした。
by sig (2014-12-24 15:52)
こんばんは。
こちらでは新城ラリーが有りますねが、毎年何かの行事と重なって
観に行けないです。
by としぽ (2014-12-24 21:01)
>katakiyoさん
そうなんですよね。お話をうかがっていて、芸術でも運動でも、ラリーでもみんな基本は努力とか、100%の力を発揮するためにどうしていくかとか、共通することが多いなぁって思いました。写真もまた極めるのは大変なことだし、きっと完璧な答えというものはない世界じゃないかとも思います。(だけど、私的には、katakiyoさんのお写真はすごく好きです♪)
by うさ (2014-12-24 22:50)
>sigさん
こんばんは。
ふっふっふ〜。素人目線でのインタビューなんですよね。プロ目線のインタビューは雑誌とかで読めちゃいますから。と訳の分からない論理づけで(笑)。雪の効果、お話の流れ的には「雨」にしたかったのですが、加工道具がありませんでした> < ちょっと残念でしたが。
by うさ (2014-12-24 22:50)
>としぽさん
ああ!! そうですね! としぽさんの地元じゃないですか!
街をあげてのお祭りみたいな行事らしく、華やかなのだそうですよ。ぜひとしぽさん、来年は! そして素敵な写真を撮ってきてくださ〜い♪(期待の眼差しでキラキラ(笑))
by うさ (2014-12-24 22:50)